ネット観戦記 (長いよ)
- kokuzo
- 2017年9月1日
- 読了時間: 6分
8月の中旬〜下旬はヨーロッパでのプロツアーが続きました。
ブルガリアオープンとチェコオープン。
日本からもたくさん選手が参戦し、私はitTVで多くの試合を見てます。
準決勝くらいになると英語での実況アナウンスが入ります。
ひた隠しにして生きていますが、私は大学で英文科だったのです。
英語の聞き取り能力は中学生以下ですが、それでも卓球の画面に合わせ
繰り返し発せられる言葉はそれなりに理解できるようになって来ます。
「ワオ〜ビウリフォオシャッ〜」とか「アンビリ〜バボ〜」とか
情感たっぷりのマシンガントークを一人でやってます。
これが日本の例えばJ-SPORTSだったらば、実況と解説の二人で
掛け合いで話を進めて行くのですが、itTVはほぼほぼ独り舞台。
大したもんやと思います。
最近、新しく覚えた単語は松平健太ちゃんのしゃがみこみサーブ。
「トマホークサーブ」って連発してました。
トマホークは主に潜水艦から発射するミサイルのことなんですね。
なかなか物騒な命名です。
女子決勝はブルガリアもチェコも同じ、石川佳純 対 伊藤美誠でした。
ブルガリアでは石川選手(4-0)、チェコでは伊藤選手(4-1)が勝利しました。
たった一週間で同じ顔合わせで、こんな結果が逆転するのかと驚き。
しかもスコア上は全然競ってない。なんでこうなったのか?
石川選手がチェコでは調子が悪かった?伊藤選手の驚くべき修正能力?
まぁ、そんな事もあるだろうと思いますが、一つ考えられるのは
ブルガリアとチェコでの歴史的なシステム変化が原因かも。。。?
なんとチェコオープンではボールボーイが置かれたのです。
テニスの試合でよく見るあれです。
ラリーが終わったボールを回収する専門要員の少年少女。
これまでず〜〜〜っと卓球とは自分でボールを拾いに行くもんでした。
シャカシャカと走って拾いに行く選手は比較的少なく
割とちんたら歩きつつ、その間に次の構成など考えてるのかな?
それが、チェコでは後ろの方に転がったボールはほったらかして
次から次へと新しいボールがサーバーに渡されるのです。
このシステムはT2という、今年に入って新しく始まった変則的なリーグ戦で
すでに導入されているのだけど、とはいえT2に参加できるのは
ごく一部のトップ選手だけ。石川も伊藤も、このリーグには不参加です。
画面上で見る限り、二人ともこの新しいシステムに戸惑う様子も見せず
当たり前のように後ろに飛んで行ったボールを見送って
新しいボールを受け取って試合を進めておりました。
決勝ともなると、もう数試合はそのシステムでやってるから
まぁそこそこ慣れて来てはいると思うのだけど
そうは言っても、生まれてこの方、ずっとやっていたのと違う方式。
試合の時間短縮には素晴らしい効果を発揮するシステムだけど
頭を整理する時間、打ちのめされた後に気持ちを切り替える時間
そういうのが圧倒的に短くなっている状況に伊藤選手の方が
適応が早かったのかな?と思っています。
もともと、ラリー間にあまり時間を取らない選手で
自分がサーブの時などは間をとったりせず、早いテンポで進めるタイプです。
強い選手というのは概ね些細なことにセンシティブ(英語が出たよ!)で
どこのメーカーの台がどうだとか、ボールがどうだとか
このラバーだとあーで、あんなラバーはこーでと、細かいのです。
私なぞはどんな台だろうがどんなボールだろうが
一向に違いも分からなければ、プレーに影響もありません。
ボールに至っては、現在、どこの試合でもプラスチックボールが使われ
たいていのチームの練習でももちろんプラスチックボールです。
しかし、原田同好会は他のチームでお払い箱になったセルロイドボールを
あちこちから有り難く頂いて、いつまでもセルロイドで練習しています。
まだ使えるものを大事に使う精神、ブラボ〜〜〜
なお、ラバーについていうと、これは強い選手でなくてもかなりセンシティブ。
特にイボ高を見ると、もうそれだけで萎えてしまう人も少なくありません。
試合前のラケットチェックの際にアンチだ一枚だ、などと説明してくれても
私は未だにそれらがどういう物なのかさっぱり分かりません。
飛んでこない?のが特徴のようですが、飛ぼうが飛ぶまいがあまり関係ないのです。
私の鈍についてさらに披露すると、試合が終わるまで相手が左利きだと気がつかない。
ペンホルダーかシェイクか分かってない。特にペンでバック面にラバー貼ってあったら
ほぼ分からない。メガネをかけてる人かどうか分からない←どうでもいいことだけど
女子ダブルスで相手が知らないおばちゃん二人だと最後まで見分けがつかない。
などなど、もう数え上げたらきりがありません。
卓球は回転が命の非常に繊細なスポーツであるはずなので
鈍感は自慢にはならないのですが、自分としては戦う前に妙な苦手意識を持たず
いつも同じような精神状態で試合に臨めるので便利な体質だと思ってます。
で、この新しいボールボーイシステム、
今後はどの公式試合でも採用されるのか、チェコだけの特別だったのか
それは分かりませんが、大きな試合では採用されるように思います。
テニスのボールボーイ(ガール)、特にウィンブルドンの時などは
見てる方が疲れるほどに、ビシッと姿勢も良く動きは超機敏で正確。
ひどく訓練された感があり、人によってはロボットか?と思うほどのキレ具合。
大概はビジュアルも美しく、惚れ惚れするような美形も多いです。
一方、チェコでの卓球ボールボーイはまぁ色々いるのでしょうが
たまたま私が見た試合では、コロンと小太りの白人の男の子達でした。
試合の邪魔になるような事はなく、転がった球をササっと拾っては
端の方にはけていくのですが、テニスのそれのクオリティとは雲泥の差。
逆に微笑ましくて私は良い印象を持ちました。
さぁ、まだまだ続きます。
男子シングルス決勝はどちらも日本対ドイツ。
ブルガリアでは松平健太とオフチャロフ、チェコは張本くんとボル。
それぞれ優勝はオフチャロフと張本くん。おめでとう。
張本くんは年が若いせいでテレビでも、よく取り上げられますね。
ハリバウアーとか掛け声のチョレイとか、まぁどうでもいい事ばかり。
今回、張本くんとマハルちゃんの試合を見ていて思ったのは
張本くんはかつての中国女子の絶対女王=張怡寧みたい。
線が細くてパワーは感じないけど、全ての打球が恐ろしく正確。
反射能力が半端ない。そして台上からの強打(英語ではパンチショットと言ってた)
これはサーブレシーブでも効いてる。ラリーの時はコースがえげつない。
やや下がってのドライブも引いてはいるけど、今の所は迫力がない。
トリッキーな事は殆どやらない。ひたすら正確に返球している感じ。
とはいえ、受け身というわけではなく、果敢に攻めもする。
判断が早くて迷いのない打ち方をしている。同じ失敗を続けない。
若さゆえの捨て身の思い切り、とかでなく、とても冷静。
天才系にありがちな、ダメになったら驚くほどアッサリ崩れる
傍目には「投げてるのかな?」と思えるような負けっぷりは絶対ない。
とまぁ、褒めてばっかりですな。
私はあまり分析的に試合を見るタイプではないのですが
今回は張本くんはテキトーに分析しました。
そろそろ練習に行かなければならないので、この辺で。
長らくのご静聴ありがとうございました。
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